マインドフルネスには科学的根拠があるのか?まだ十分とは言えない現状。

記事の著者:Siena編集部

GoogleやAppleで実践されているから、という理由で取り入れる人や企業が増え、ブームとなったマインドフルネス。テック業界の騎手が実施するものは無条件で良い、という姿勢でマインドフルネスを取り入れているのであれば、あまりに軽薄な思考ではないでしょうか。

マインドフルネスブームの裏側には、科学的根拠が置き去りになってしまっている状況があります。

マインドフルネスの科学的根拠は、増えつつあるが不十分

マインドフルネスの科学的根拠に関する現状には、増えつつあるがまだ薄い、という課題があります。瞑想における科学的根拠の乏しさは、プラシーボ効果の影響が要因の1つです。

Perspectives on Psychological Scienceにおいて2017年10月10日に発表された研究では、マインドフルネスは科学的な根拠が欠けていることを著名な心理学者や認知科学者が指摘。これまでの研究では、マインドフルネスの定義に一貫性がなく、プラシーボ効果を調べる比較実験が実施されていない点が不十分な要因です。

また、2015年にAmerican Psychologistで発表された報告では、マインドフルネス研究でコントロールグループが用意される割合は9%しかないことが明らかになっています。

さらに、Science Advancesにおいて2017年10月4日に発表された研究では、マインドフルネスの訓練によってストレスが減るものの、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールのレベルでは減少が見られないことが判明。

同日に、マインドフルネスのような注意力に関する訓練で前頭皮質の厚みが増した、という研究結果もありますが、研究内容が持つ臨床的な意味については、さらなる調査を要する、と留めています。

マインドフルネスにはプラシーボ効果がない可能性も

しかし、2016年7月1日にBiological Psychiatry誌で発表された研究は、マインドフルネスや瞑想がプラシーボ効果ではなく、脳の状態に変化をもたらし、健康状態を改善している可能性がある、と明らかにしました。

カーネギーメロン大学の心理学准教授である、J・デイビット・クレスウェル氏が研究を牽引。正しく瞑想の方法を学んだチームと、間違った方法を教えられているが正しく瞑想の方法を学んだと思い込んでいるチームに分けて実験を展開。

被験者は、求職中でストレスを抱えている男女35人です。2つのグループでは、血液検査と脳スキャンをおこなうこと、ストレッチをするように指示を受けたことの2点が共通しています。

正しく瞑想の方法を学んだチームは、瞑想後におこなうストレッチでどんな体の変化にも目を向けるように指示され、誤った方法で瞑想をおこなうチームは、瞑想後のストレッチで体に意識がいかないように操作された点が相違点です。

実験の3日後に、被験者は脳スキャンを受けます。被験者全員が気分のリフレッシュ効果を感じたと伝えましたが、実際にストレス耐性に関する部位が活発になったのは正しい瞑想をおこなったグループでした。

さらに4か月後、正しい瞑想法を学んだグループには瞑想を継続しておこなう人が少なかったにも関わらず、誤った方法で瞑想を学んだグループより血液検査で炎症のレベルが低い結果に。

クレスウェル氏は、脳の変化が炎症の減少に役立った、と考えていると言います。しかし、マインドフルネスの効果を得るために必要な期間はまだ不明となっています。

科学的根拠が不十分なままに、誇張されたマインドフルネスの効果を鵜呑みにし、手放しで導入しようとしているなら、1度立ち止まり本来の意義を振り返ってみることも必要ではないでしょうか。