マインドフルネスとは。鼻呼吸で感覚に意識を向ける。

記事の著者:Siena編集部

マインドフルネス、という言葉を耳にしたことはあるけれど、いったい何なのかは分からない、という人は多いはず。マインドフルネスはアメリカの企業や政府機関で研修として取り入れられており、世界規模で注目されています。

ここでは、マインドフルネスに関する知識を深めて、日常生活に取り入れてみましょう。

マインドフルネスの基本

マインドフルネスという言葉は、パーリ語のサティ(sati)の翻訳です。サティは、特定の物事を心に留めておくことで、日本語では念や気づき、といった意味。仏教の教えでは、苦しみから解放され悟りに近づいていく自己認識を発達させる点でマインドフルネスが役立ちます。

マインドフルネスは、リラックスして今この瞬間に集中している状態を指していて、心を無にするなど、余計なことを考える必要はありません。今自分が感じている感情や感覚を、ありのままに受け止め客観視するイメージです。

日常生活では、先の見えない未来に対する恐怖や不安、過去に関するどうにもならないことなど、頭の中は情報に溢れ、心を乱されがち。混乱状態となって真実が見えづらくなり、ストレスが溜まる、パフォーマンスが低下する、といったことも。

マインドフルネスは瞑想が中心

マインドフルネスでは瞑想が用いられることが多く、リラックス状態でも感覚が研ぎ澄まされ、漠然とした不安が消えることで安定を取り戻すことができるようになります。瞑想はヨガや禅でおこなわれてきましたが、マインドフルネス瞑想では宗教的な要素は排除されており、誰でも気軽に実践できるのが魅力です。

近年、とくにアメリカでマインドフルネスが流行していて、マサチューセッツ大学医学大学院の、ジョン・カバット・ジン教授の影響であると言われています。同大学院のマインドフルネスセンター創設所長でもあり、仏教の指導者に修行法と教理を学んだあと、西洋科学と組み合わせました。ストレスや不安、痛みや病気へのアプローチとして、マインドフルネス瞑想を唱えています。

マインドフルネスの歴史

現在実践されているマインドフルネスは、ヴィパッサナー冥想とサティの訓練がベースとなっている、と言われています。ヴィパッサナー瞑想は洞察を意味しており、沈んだ心を活気づける方法としても用いられている点が特徴。

パーリ語と上座部仏教の研究で有名なイギリスの東洋学者、故トーマス・ウィリアム・リス・デイヴィッズ氏によると、マインドフルネスの教義は四諦と八正道の次に重要なものです。マインドフルネスの実践は、とくに仏教の教えから発想を得たもの。

ストレスの解消法としても用いられる

1979年には、ジョン・カバット・ジン教授がマサチューセッツ大学でマインドフルネスストレス低減法のプログラム(MBSR)を作成。慢性疾患を治療するためのプログラムで、現在は刑務所、病院、学校など幅広い施設で用いられています。

MBSRの1つであるボディスキャンは、ヴィパッサナー瞑想の指導者として知られるビルマのウ・バ・キンのsweepingという瞑想が由来。その後、宗教的な要素が排除され、広く採用されました。

企業やセレブも実践

日常生活でおこなうマインドフルネスは、仏教の瞑想や臨床心理学とは別です。1996年から徐々に発展してきており、マインドフルネス・ムーブメントとも呼ばれます。GoogleやAppleなどアメリカを中心に研修として取り入れられており、ニコール・キッドマンやエマ・ワトソンなど数多くのセレブも実践しているほど。

マインドフルネスには嬉しい効果がたくさん

マインドフルネスの基本的な知識をおさえたうえで、次は効果について知っておきましょう。ここでは代表的な4つの効果を紹介します。

まず、集中力が鍛えられていきます。そして、漠然とした不安や心配、考えごとに心を乱されることがなくなり、ありのままに受け止めて流すことができるように。心身ともに緊張状態が緩和され、ストレス解消に効果的です。

また、雑念が除かれて思考がスッキリするので、洞察力や直感力、想像力アップにも。深い呼吸によって自律神経のバランスも整うので、寝る前におこなうと安眠効果が高くなります。

マインドフルネス瞑想を実践してみよう

誰でも簡単にできるマインドフルネス瞑想。背筋を伸ばして、呼吸に意識を向けることが重要です。早速実践してみましょう。

まず、背筋を伸ばして骨盤を安定させ、体をリラックスさせます。このとき、立位でも座位でも構いません。目は軽く閉じてください。次に、鼻呼吸でゆっくりと深呼吸を繰り返し、常に意識を呼吸に向けます。コツは、呼吸によって起こる体の変化をイメージすること。お腹が縮んだり膨らんだりするイメージを感じましょう。

時間に決まりはありません。自分の状況に応じて、1分からでも瞑想は可能です。精神状態のバランスを整える点でもピッタリなので、仕事や家事の合間に習慣として取り入れてみるのもおすすめです。